彼女たちの場合は――二人だけのものではない旅

2019.08.25 Sunday 16:39
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    JUGEMテーマ:オススメの本

     

    『彼女たちの場合は』江國香織

     

    大好きな江國作品。

    帯にある通り、2年ぶりの長編小説とのこと。

     

    装丁に惹かれた。飾りたいね。

     

    『神様のボート』では、母と娘の視点が交互に書かれていたけれど、

    こちらも登場人物それぞれに視点が替わる。

     

    旅に出た14歳の礼那と17歳の逸佳、礼那の母・理生那、礼那の父・潤、逸佳の父・新太郎(理生那と新太郎は兄妹)。

    それぞれの視点によって物語が立体的に見えてくる。

    そして、視点が替わることによってそれぞれの内面が手に取るように分かる。

     

    主人公は礼那と逸佳と言う人もいるだろうが、二人だけの物語ではない。

    誰か一人の人生が、その人だけのものではないように。

    タイトルの「彼女たち」が表すのは二人だけではないのかも知れない。

     

    二人の旅は自分探しの旅と言ってしまうとややチープな感じがする。

    自分試しとでも言おうか。芯の強さ、危ういからこその強さのようなもの。

     

    私は地理に詳しくないので、敢えて地図を開くこともせず文体を楽しむように読めたけれど、

    地図を見ながら辿っていくのも面白いかも。

    (ちなみに見返しにも地図が)

     

    メインは二人の旅の部分ではあるけれど、

    読んでいるうちに自分が理生那(帰りを待つ母親)に寄ってきていることに気づいて

    自分でびっくり……。

    礼那の危なっかしいところも不安でしょうがなかった^^;

    逸佳や理生那にエールを送っている自分がいました。

     

    これも個人的なことだけれど、ここ数年転職したり引っ越したりと環境が変わっているので

    それもまた旅みたいなものだなあと思ってみたり。

    どちらかというと心地いいところで漂流したいくらいの気持ちなんだけど。

     

    印象的なシーンとしては、逸佳が働いているところ。

    不器用なりの必死さ(実は結構大胆で冷静)がとても好き。

    それを待つ礼那もまた良かった。

     

    実はあんまり新作につられないタイプ(中古か図書館で読みたい。笑)ですが

    これは買ってよかった。

    まるっきり非日常、な世界観ではないけれど、日々少しずつ読み進めるのにはとてもわくわくする。

     

    まだちょっと寝苦しいけど、秋の夜長のお供にぜひ。

     

     

     

     

    category:book | by:文月 七comments(0) | -
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